いまや全国2,200カ所以上で開かれている「子ども食堂」。みなさんはこの「子ども食堂」をご存知でしょうか。
核家族化し、一人でさみしく食事する子、孤立化しやすい子育て中の母親など、地域と積極的に関わらないような風潮の現代、誰もが安心して集まれる場所。みんなで食事を作って食べたり、宿題をしたり。「共に過ごすこと」を目的としている場所。
※料金や開催頻度、メニューなどは食堂ごとに違い、その定義はない。
まだまだ認知不足な子ども食堂。まずは知ってもらうこと。そして、どういった目的で運営しているかを理解してもらうため、また、行政への働きかけをしやすくするため、平成30年1月、個々に運営していた子ども食堂が集まり、上尾市子ども食堂ネットワークが設立されました。
「自分が子どもの頃は、近所や友だちのオッチャンおばちゃんが世話を焼いてくれました。みんなが集まる場所やコミュニティーがどこかにあって、気軽にそこに居場所を作れました。子どもたちが将来を考えたとき、みんなが集まる中で、自分には色々な可能性があるということを知ってほしい。自己否定せず、悲観せず。様々な価値感の中で考え、将来に希望を持ってほしいです。」と語る大久保さん。
食堂の運営を続けていくことの難しさを日々感じながらも、子どもたちとの触れ合いを楽しんでいる早瀬さん。「是非、お子さんと一緒にいらしてくださいね。」と誘ってくださいます。
行政の後押しはまだまだ足りず、かといって、行政が介入すれば制約が多くなり、そこが温かい居場所ではなくなってしまうのでは?という心配の声もあります。
「子ども食堂は貧困対策のため」という誤解や、衛生面に対する不安、地域へ浸透していないなどの問題点も。
運営するために必要なものは、適切な場所、人員や食材、衛生面に配慮した研修など、地域からの理解を深めるためには広報活動が必要です。そして、これらを継続していくためにはやはり資金が必要です。
本当に居場所を必要としている子どもたちに「こんな場所があるよ」と声を届けるため、みなさんの理解と協力が必要です。
子どもときちんと向き合いたい。ご飯だってしっかり栄養のあるものを食べさせたいし、仕事をしていることで子どもに寂しい思いをさせたくない。そうは思っていても、限られた時間であれもこれもというのは無理があります。 シングルマザー(ファザー)、病気を抱えている、とにかく仕事で疲れている、頼れる人がいない。いろんなお母さん、いろんなお父さんが居ます。
こんな風に子どもたちの将来を考え、親身になって接してくれる人たち、悩みを相談できる場所・・・そんな場所を求める親も多いはず。 行けば必ず誰かがそこに居て、「おかえり」って言ってもらえる。宿題したり本を読んだり、大人のお手伝いをしたり。特別なことをするわけではない、ただ誰かと一緒にごはんを食べる場所・・・家以外の居場所があるって、子どもたちにとっても、心強いのではないでしょうか。
「本当に誰でも気軽に来てもらいたい。子どもも大人も気軽に居てもらいたいです。そんな居場所として、子ども食堂を運営していきたいです。」と大久保さん。
ほんの少しの協力とお手伝いが、子ども食堂に集まるみんなの気持ちを明るくしています。